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例.日本大通りNippon-odori Ave.反町Ta?oachi
などの留意が必要である。
9)異常時など緊急的情報の提供は、第3項(聴覚障害者の項)で検討したように、電子式表示装置によって対応を図る方法が考えられる。

 

2. 環境整備上の留意点
1)日本人にとって好ましい情報受容環境が、外国人にとっても好ましい環境であることは明らかである。
2)情報が得やすいように、視覚環境・聴覚環境を整え、駅の平面計画・空間計画をわかりやすく、立地的特性や単位空間の違いが体感できるように工夫する必要があることは、身体障害者や高齢者のための留意点と共通している。

 

3. 人的な対応における留意点
1)ヨーロッパの主要都市のターミナル駅では、早くから国境を越えて国際列車が往来してきた背景もあって、外国人旅行者も利用可能なインフォメーションセンターが設けられていることが多い。
2)外国人が日本のターミナル駅を利用する場合、以下の理由などから、人的サービスを受けることができれば、負担を軽減することができる。
a.日本語を理解できる来訪外国人の数が少ない。
b.旅行をするうえで必要な予備的知識が少ない。
c.英語を理解できない外国人も相当数あると予測できる。
d.外国人にとっても、困ったとき頼りにするのは人の存在である。
e.外国語による質問に、外国語で答えられる通行者の数が少ない。
3)身体障害者や高齢者への対応と同様に、案内を専門とする人的サービスについて検討することが求められる。

 

4.その他の留意点
1)ヨーロッパの主要都市のターミナル駅では、概ね欧米言語に限られるが、複数の言語で説明された外国人旅行者向の案内パンフレット類を数多く見かけることができる。
2)企業活動や公的活動など、あらゆる社会的な活動についてどのようなスタイルでパブリシティ(世間の注目、公から認められること)を得るかというPR(広報)技術は、そのコンセプトとともに欧米には伝統的な蓄積があって、鉄道においても美しくわかりやすいグラフィックで示された案内パンフレット類が整備されている。
3)わが国の鉄道駅の情報提供の様式が、ビジュアル・サインの整備に力点が置かれているのに比べ、欧米では、まず案内パンフレット類による広報ツールを整備し、それをインフォメーションセンターで配布することに比重が置かれていることは留意すべき点と思われる。

 

 

 

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